気管支喘息の日常生活の留意点
注意点
1)医薬品によって誘発される喘息
- アスピリン喘息:解熱鎮痛薬によって誘発される喘息
喘息患者さんのなかに、解熱鎮痛薬の内服や注射、坐薬の使用後に激しい喘息発作が誘発されることがあります。これをアスピリン喘息といいます。成人喘息では5〜10%に存在し、小児ではまれです。女性にやや多く、慢性副鼻腔炎、鼻茸を合併することが多いようです。鎮痛薬のシップ、塗布剤でも誘発されることがあります。食品添加物、香辛料でも起こる事があり、注意が必要です。自分がアスピリン過敏かどうか知る事が必要です。
- 高血圧症の薬
βブロッカーの降圧剤は気管支拡張を妨げるため、喘息患者さんには使用禁忌です。緑内障に使用するβブロッカーの点眼薬も同様です。
ACE阻害剤は咳を誘発することがあり注意が必要です。
2)運動によって喘息発作が誘発される事があります。:運動誘発性喘息
激しい運動によって喘息発作が生じる事があります。特に喘息のコントロールが十分でない時、運動強度の強い持続する運動、冷たく乾燥した環境下での運動により発作が生じます。
運動が日常生活に多い小児ではまず喘息を十分コントロールすることが重要です。予防法としては運動前に気管支拡張薬を吸入する。ウォーミングアップをする。インターバルトレーニングを取り入れる。鼻呼吸をする。などを行います。
予防
1)室内のダニ暴露の抑えるために室内環境改善を行う必要があります。
- 寝具の管理;寝具の管理は特に大切です。1週間に1回は20秒/m2の時間をかけて、シーツをはずして寝具両面に掃除機をかけます。
- ダニの通過できない高密度繊維の布団カバー、シーツはより有効です。
- 畳床の掃除には3日に1回は20秒/m2の時間をかけて掃除機をかけます。
2)ウイルス性呼吸器感染症にかかると喘息が悪化することがあり、注意を要します。
- 特に小児の喘息にRSウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルスに感染すると喘息が増悪します。
- うがい、手洗い、冬季にはインフルエンザウイルスの予防接種(予防接種にアレルギーのない人)などの感染症に対する予防策を講じる事が有効です。
3)日常の生活習慣を改善しましょう。
- 禁煙。
- 過労、ストレスを避けましょう。
- 室内ペットの飼育をしないようにしましょう。
- アルコール摂取制限(日本人ではアルコール摂取にて喘息が悪化することが多いようです)。
- 医薬品や食品添加物が喘息発作を誘発することがあり、注意が必要です。
- 痛み止めによるアスピリン喘息
- 高血圧の治療に使用されるβーブロッカー
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